「私、本を読むの苦手なんだよね」
30歳になるまで、
私はなんとなくそう思っていました。
小説やエッセイを読むことは、ほとんどありませんでした。
文字を読んで、
そこから自分で景色や状況を想像する。
それだけで、
「なんだか疲れそう」
と思っていたんです。
だから読書は、
ずっと自分とは遠いものでした。
でも最近、
自分を少しでも好きになりたいと思って、
本を読むようになりました。
そうしたら、
「私、本が苦手だったんじゃないのかも」
って気づいたんです。
本を読んで最初に思ったのは、「私、言葉を全然知らないな」だった
本を読み始めて驚いたのが、
知らない言葉や表現が
たくさんあったことでした。
自分では思いつかないような言葉で、
気持ちが表現されていたり。
「こんな言い方があるんだ」
と思ったり。
私は昔から、
いろいろなことを考えすぎてしまうところがあります。
頭の中には、
いろんな感情や考えがある。
でも、
それをうまく言葉にできないこともありました。
だから、
自分の中にはなかった言葉に出会えることが、
思っていた以上に面白かったんです。
「そんな考え方もあるんだ」と知るたび、少し楽になった
読書をしていて、
私が一番面白いと感じているのは、
自分とは違う考え方に触れられることです。
最近読んだ本の中には、
『栞をはさむように休めばいい』や
『ある編集者の主観』があります。
本を読みながら、
無理をし続けなくてもいいこと。
自分のペースで進んでもいいこと。
自分自身の状態にもっと敏感になって、
自分を大切にしてもいいこと。
そんな考え方に触れました。
「そんな捉え方もあるんだ」
と思うたびに、
自分の中にずっとあったものが、
少しずつ解れていくような感覚があります。
私は「真面目な人」でいなきゃいけないと思っていた
私はこれまで、
「しっかりしてるね」
「真面目だね」
と言われることがよくありました。
もちろん、
真面目であること自体が嫌なわけではありません。
でも、いつの間にか私は、
「私はしっかりしていなきゃいけない」
「ちゃんとしていなきゃいけない」
と無意識に思うようになっていました。
周りの期待に応えなきゃ。
ちゃんとやらなきゃ。
人には優しくしなきゃ。
そんなふうに、
「こうあるべき」を
自分にたくさんつけていたんだと思います。
それが苦しくても、
自分はそういう人だから仕方ない。
そう思っていました。
でも、「真面目な私」だけが私じゃなかった
本を読んだり、
いろいろな人と話したりするうちに、
少しずつ考え方が変わってきました。
完璧じゃなくてもいいのかもしれない。
いつもちゃんとしていなくてもいい。
周りにいる人みんなに、
無理をしてまで優しくある必要もない。
疲れているなら休んでもいいし、
嫌なことには、
嫌だと思ってもいい。
自分の気持ちにも、
もう少し敏感になっていい。
そんなふうに考えられるようになってきました。
まだ、
「もう何も気にしません」
というところまで変わったわけではありません。
今でも考えすぎるし、
ちゃんとしなきゃと思うこともあります。
でも以前より、
「本当にそうしなきゃいけないのかな?」
と、一度立ち止まれるようになってきました。
それだけでも、
私にとっては大きな変化です。
「私は本を読まない人」も、思い込みだった
気づけば何冊も読み終わって、
今は、
「次は何を読もうかな」
と本を探しています。
そこで、ふと思いました。
私は本を読むのが苦手だったんじゃなくて、
「私は本を読まない人」
って、
自分で決めつけていただけだったのかもしれないなって。
そして、
もしかしたらこれは、
読書だけじゃないのかもしれません。
「私は真面目だから」
「私はこういう性格だから」
「私には向いていないから」
「どうせ私にはできないから」
そうやって、
私は自分のことを知っているつもりで、
自分の可能性を狭めていたのかもしれません。
「自分を知っている」と「自分を決めつける」は違うのかもしれない
私はずっと、
自分を好きになるためには、
自分を変えないといけないと思っていました。
もっと綺麗になって。
もっと自信をつけて。
もっとできることを増やして。
今とは違う自分になれたら、
好きになれるのかなって。
でも最近は、
少し違うのかもしれないと思っています。
自分を好きになるために必要なのは、
今の自分を全部変えることだけじゃなくて、
「私はこういう人」
と決めつけてきたものを、
一つずつ外してみることなのかもしれません。
私は本が苦手。
私は真面目でいなきゃいけない。
私はちゃんとしていなきゃいけない。
私はみんなに優しくしなきゃいけない。
本当にそうなのかな?
って、一度疑ってみる。
そうすると、
今まで知らなかった自分が
少しずつ見えてくる気がします。
もしあなたにも、「私はこういう人」があるなら
もしあなたも、
「私ってこういう人だから」
と自分に言い聞かせていることがあるなら。
それは本当に、
あなた自身が選んだものですか?
それとも、
誰かに言われた言葉や、
過去の経験から、
いつの間にか
「そうじゃなきゃいけない」と思うようになったものですか?
すぐに答えを出さなくてもいいと思います。
私だって、
まだ自分のことを知っている途中です。
でも、
「本当にそうなのかな?」
と少し疑ってみるだけで、
今まで見えていなかった選択肢が
見つかることもあるのかもしれません。
30歳まで、
ほとんど本を読んでこなかった私は、
今、本を読む時間が好きになってきました。
知らない言葉に出会って、
自分とは違う考え方を知って、
そのたびに、
自分の中にあった
「こうしなきゃ」が少しずつ解れていく。
これからも、
いろいろな本を読んでみたいと思っています。
そして、
本だけじゃなくて、
「私には向いていない」
「私はこういう人だから」
と今まで閉じてきた扉も、
少しずつ開けてみたい。
その先で、
「私って、こんなことも好きだったんだ」
「こんなふうに考えてもよかったんだ」
って、
まだ知らない自分に
たくさん出会えたらいいなと思います。
自分を好きになるために、
今までの自分を全部変えるんじゃなくて。
自分で決めつけていた自分から、
少しずつ自由になっていきたいです。